6月20日(月)

Y氏の出勤は8時過ぎ。寝ぼけ眼で見送ったあとは、いよいよ最後の計画の実行に移る。
企画の照準は、N氏と僕の大阪組が帰ったあとに来るインパクト。今回のツアーを記録している写真達を使って、Y氏の部屋をギャラリー化する目論見だ。一番ネックになるのはデジカメプリント。これは事前にS嬢の友人に調べてもらっており、東京初日にも場所を確認済み。あとは開店時間とプリント時間だ。お昼休みにはY氏の仕事場近くまで出向き、カギを返して、昔のように一緒に昼食を取る予定なので、時間にしてギャラリー化計画の実施時間は2時間と少々。
DPEは9時過ぎの時点でもう開店。プリントは30分程でできるらしいので、駅近くの喫茶店でモーニング。喫茶店でモーニングを食べると、なんだかゆったり、贅沢な時間の使い方をしてる気分。ぼんやりしてるとすぐにプリントが上がる時間。
Y氏宅に戻るとまず荷物を整理し、休憩がてらお互いの写真を観賞。二人会わせて150枚にものぼる、楽しかった旅の花弁は、Y氏に何がしかの感動を与えるだろうか。
ひとしきり楽しんだら、いよいよ作業開始。150枚の写真を時系列に整理し、Y氏が帰宅した際のルートにあわせて、玄関から順に並べていく。蛇行した写真は東京駅に着いたところでダイニングが終了。リビングにもびっしりと蛇行した写真が並び、水上バスの乗り換えからは窓を伝って展示。浅草の小舟町提灯をラストに行き着くのはMEMORIAL PHOTO EXHIBITIONのPOPだ。想定では結構ゆるく仕上がるかと思ったが、なかなか壮観。二人で写真や動画をバシバシ。
見入っているともう昼前。急いで身支度し、戸締まりしてY氏の仕事場、本郷三丁目へ。特に迷わず電車は無事到着。Y氏は打ち合わせが長引いている様子。 駅でぼんやり待っているといろんな人が通り過ぎる。テレビジョンの影響なのか、東京での関西弁にみんな違和感は感じない様子。大きな声でしゃべる関西弁の女性群がいたが、誰も気にしている様子はない。
Y氏と落ち合って、よく行くというカフェへ。昨日の疲労がまだ残っているのか、心なしかみんなグッタリ。しかし、疲れたときに疲れた顔ができるのは、気のおけない友人だから。気を使う人と一緒なら、疲れていないフリをするだろう。あっという間に過ぎる昼休み、同じ環境で仕事していた頃も、こうして渋々腰を上げたものだった。
駅でY氏とお別れ。Y氏の口から「ありがとう」がこぼれたのが印象的。弱っていたり、特に大きな悩みを抱えているわけではなかったみたいだが、それでも元気が出たなら、来た甲斐があったというもの。悩みなんてみんな抱えているもので、ハッキリした悩みの方が、まだ解決までの道のりは短く早い。何気に悩んでる、そんな状態がスタンダードだと思う。順風満帆、オールオーケイ悩みなんてひとつもない、なんて人には魅力もないんではないだろうか。
パールコーポツアーの東京終点は東京駅。レトロな外観をしっかりデータに変えて、駅内部へ。トイレのチップ式というのは、もう少し説明が必要なのではないだろうか。日本にはチップの文化はないのだ。駅のスタンプもインクが渇いていたのが残念。おばぁちゃんが必死に用紙に押しつけていた。
待つ程もなく、ホームに新幹線が滑り込んでくる。最後尾の席で東京に別れを告げると、途端に疲労が身体を巡る。頑張り屋のN氏は、いろんな調整で旅行前日からほとんど眠っていない様子。ストンと眠りに落ちていった。窓辺の席で流れる景色を横目に、このツアーのメモを記す。ハッと気付くと名古屋で停車。どうやら少しまどろんでいたようだ。
綺麗なおねぇさんが押すワゴンの車内販売でアイスクリームを購入。スプーンをなめながら新幹線の旅の最後を締めくくる。新大阪の駅、まだ明るい夕方のホームは、これから新幹線に乗り込むサラリーマンが列を成す。乗り換えてJRに乗り込むと、耳の端に聞こえるのは車内の二人組が話す会話。「そんなん、おもろないやん」聞き慣れた言葉のリズムは、耳に心地よい。
楽しませに行ったつもりがすっかり楽しんだなぁと、N氏と話しながら梅田駅。もう見慣れた大阪の街も、初めて見れば大きく感動するのだろう。言葉も通じれば、肌の色も同じ。東京と大阪の差なんて些細なものなのだ。そう思えるのは、気心の知れた仲間で見て回れたおかげなのかもしれない。
誰もが何かと戦っていて、誰もが何かに苦しんでいる。坊主は生きることこそ修行だと言う。楽しいことやうれしいことは、砂漠のオアシスみたいに、その間に点々としているものだ。だから尊く、大切に思う。誰かの顔が自分のオアシスで、また自分の顔が誰かのオアシスになる。生きているのが楽しくなるのは、きっとそんな時だ。


ステッカー貼附場所

・下北沢/代沢十字路付近 ガードレール
・下北沢/屋根裏前 道路標識
・浅草/水上バス定着所付近 案内板
・浅草/仲見世通り 浅草寺境内付近
・原宿/竹下通り 駅側入口
・原宿ー渋谷/高架下

もうはがされてしまっている可能性が大きいですが、もし発見された方は写真に撮って送ってください。何か差し上げたいと思います。
※パールコーポツアーメンバーは除外。